コース概要

地球規模で顕在化している多くの課題を有する多様で複雑な社会やシステムを、情報通信技術(ICT)を用いて、新たな社会やシステムへと変革することが期待されています。社会システムデザインコース(SSDコース)では未来のICT社会やシステムを設計(デザイン)していくためのキーとなる、Webサイエンス・デザインサイエンス・インタラクションに関する技術を学び、実践的に活用する能力を身につけます。
Webサイエンス

多くの人々がインターネット(Web)を活用して情報収集や交流をしていく中で、Web上には人間の活動にまつわる多くの情報が蓄積されています。本コースでは、インターネット上に蓄積された膨大なデータを分析し、モデル化するWebサイエンスの技術を学ぶことができます。
Web情報技術概論 / Webアプリケーション / Webコンピューティング / テキストマイニング / 情報アクセス論
小説や漫画の登場人物やストーリーの変遷を分析・可視化して、ユーザに推薦するシステム
過去の浮世絵から情報を抽出することで、言葉を通じて浮世絵画像の検索ができるシステム
デザインサイエンス

高度なICT社会や情報サービスを実現するためには、システムの使用者であるユーザの視点に立ってサービスを使いやすく設計し、それを実際のシステムとして実装していく力が必要になります。本コースでは、プログラミングを駆使して実際にシステムを設計・実装していく方法を学んでいくだけでなく、使いやすく・整理されたシステムの設計のために必要となる設計の方法論についても学んでいきます。
社会デザイン論 / 認知工学 / 知識工学
地域住民が「まち」の設計に参加できる参加型の都市設計シミュレーション
ピクトグラムを用いた言葉を使わない災害避難支援アプリ
専門知識を見やすく整理し、専門職の技能習得を支援するアプリ
インタラクション

人工知能の発展に伴い、スマートスピーカやロボットなどの対話型のシステムの普及が進んでいます。また、機械翻訳を用いた異文化交流のように、情報システムは人間同士のコミュニケーションの場面を支援するツールとして利用できます。本コースでは、人間と機械、人間同士の対話を支援するための情報システムの設計の方法や、その要素技術について学んでいきます。
ヒューマンインタフェース / 社会システムデザイン創成2 / 自然言語処理
ユーザとの質問応答を通じてユーザが望んでいるものを推測し、推薦する対話システム
機械翻訳を利用した児童同士の異文化交流の活性化
「ふわふわ」等のオノマトペを特徴として、レシピから料理のコツを抽出するシステム
コースでの学び
社会システムデザインコースの特徴的な科目(固有専門科目)や、標準年次での学びの流れを紹介します。
各科目の内容は2024年度入学生向けカリキュラムに準拠しています。
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1回生
後期
- プログラミング言語:
- 多くのシステム開発で利用されているプログラミング言語であるPythonの基礎を学びます。
- プログラミング演習1:
- プログラミング言語に対応して、Pythonを使ったプログラムの書き方について演習形式で学びます。
- 社会システムデザイン概論:
- SSDコースで行われている研究分野について理解をし、研究分野について調査し資料としてまとめて発表をする能力を身につけます。
2回生
前期
- プログラミング演習2
- データ構造とアルゴリズムに対応して、効率的なデータの扱い方や処理の設計方法を実践の中で学びます。
- 社会システムデザイン創成1
- HTMLやJavascriptを活用したインタラクティブなWebページの作成方法を学び、実際に作成します。
- データ構造とアルゴリズム
- プログラミングの際に重要となるデータの扱い方や、効率的な処理(アルゴリズム)の設計方法を学びます。
- オブジェクト指向論
- 情報システムの設計の際に重要となるオブジェクト指向と呼ばれる考え方について学びます。
- 自然言語処理
- スマートスピーカなどの対話システムにおいて「ことば」を理解するための基盤技術である自然言語処理について基本的なことを学びます。
- ヒューマンインタフェース
- 人と人、人とシステムをつなぐヒューマンインタフェースの考え方や技術について、基本的な知識を習得します。
後期
- 実践プログラミング演習
- Java言語やC言語等の異なる言語でのプログラミングの技法を学びます。演習の中ではお絵かきプログラムや電卓プログラムを作成します。
- テキストマイニング
- R言語を用いて、膨大なテキストの中から特徴を見つけ出すテキストマイニングの方法を基礎から学びます。
- Web情報技術概論
- インターネットの基盤技術であるWWWの仕組みと、その上で様々なコンテンツを蓄積し、管理し、利用するためのソフトウェア技術について学びます。
3回生
前期
- Webアプリケーション
- JavaScript言語を活用したWebサーバの構築をはじめ、Webアプリケーションの構築手法を学びます。
- 社会システムデザイン創成2
- Python言語を用いた情報検索システムの開発を実践します。その応用として人物関係の抽出と可視化も行います。
- 情報アクセス論
- 大量の情報資源の中から必要な情報を効率的に見つけ出すための情報アクセス技術について学びます。情報検索の概念と実現手法についても学びます。
- データマイニング基礎
- データマイニング技術を達成するための基礎知識について、機械学習や統計学の手法を中心に学びます。
- 認知工学
- 人間にとって使いやすい情報システムの設計のための方法論について学びます。
後期
- 卒業研究1
- 各研究室に配属となり、卒業研究に必要となる専門知識を習得します。
- Webコンピューティング
- クラウドやコンテナ技術を用いたWebサービスの構築手法を実践を通して学びます。
- 社会デザイン論
- 現実世界の社会の状況をコンピュータ上でモデル化して分析する方法や、社会問題解決のためのデザインの手法について学びます。
- 知識工学
- 人間の知識をコンピュータ上で表現・蓄積し,利用する方法(オントロジー、セマンティックWeb等)について学びます。
4回生
卒業研究2・3
- 各研究室にて卒業研究を進め、卒業論文を完成させます。
卒業後、大学院に進学することで継続して学びや研究を進めていくことができます。
カリキュラム
- 社会システムデザインコース(SSDコース)のカリキュラムは以下のカリキュラムツリーの通りになっています(※クリックで拡大します)。
- カリキュラムの詳細は学習要覧を、各科目の詳細はmanaba+Rのシラバスをご確認ください。
進路について
卒業した学生さんは、大学院に進学する人と就職する人にわかれています。大学院進学については、立命館大学の大学院に進学する人が多いです。就職する人の就職先は多岐にわたっています。職種としてはSIerやシステムエンジニアなどが多いですが、営業職や教職に就く人もいます。